伊江島の港はいくつもの一文字で守られているが、そのうちの白い灯台がある高さ7~8メートルのそれに渡る。
ハシゴで人も荷物も上がるんだが、これは伊是名で経験済み、スムーズに事は運ぶ。
ここ伊江島も、よくある一文字の例に漏れず、外海に向かって大きなテトラが入り、内海側に少し回り込んでいて、ちょっと那覇一文字新堤に似ている。
ここでも、やはりポイントはテトラの切れ目であろう。
初釣りの今日、フカセではある決意をしていた。
今日は絶対にラインは出さない!
矯める!!!!
仕掛けは、
竿1.75号(適合ハリス1.5~4号)
道糸3号
ハリス2.5号
これで、テトラの切れ目から3メートル位離れたところで開始する。
これならちゃんと止められれば、獲れる。
これまでは耐えきれず糸を出していた。
結果は針ハズレであったり、根ずれであったり、口惜しい思いをしてきた。
このバランスなら竿が折れることはない。
全誘導で開始。
撒き餌は軽めのグレ用と重めのチヌ用を適宜ミックスして使う。
しばらく撒くが、なんとここでもサヨリの大群が現れ邪魔をする。
小魚ばかりがうろうろして、うーむ、離島に来てこれかぁー、とグチが出始めた頃、2匹のイスズミらしきデカバンが餌を拾って居るのが見える。
なにしろ透明度15メートルは余裕であるので、丸見えである。
もちろん魚からもそうなのであるが。
丁寧に撒き餌をしていると、底の小魚が一瞬ぱっと散った。
次の瞬間、ウキがテトラ方向にすっ飛んでいく。
ヤツが喰った!!
合わせ!!!
乗った!!!
ナンジャー!この引きはーーーー!!
ほとんど暴力的とも思われる引きが襲う。
テトラから離れるように左に歩きながら応戦する。
ドラグはガチガチに締めてあるし、レバーブレーキも使う気はない。
竿は満月になっている。
尚、強いトルクがグングン伝わってくる。
4号までOKの竿に2.5号のハリス、竿が折れるわけがない。
糸を出せば、テトラに入られ切れてしまう。
1mmたりとも糸を出す気はない。
ここまでは計算どおりの展開。
見れば、魚はテトラの手前でストップをかけられ、すれすれの所を横になって泳いでいる。
勝ったな!!
獲れるな。
そう確信した次の瞬間。
バキーーーーーーー!!!!
一瞬、何が起こったのか分からない。
茫然自失・・・・・。
目は、竿のリールシートの10センチ先に釘付けにされた。
今まで左手で必死に支えていた竿は、もはやただの棒と化しており、そこで無惨にもこなごなに折れていた。
・・・・・・・バットから折れたのだ。。。。。。。。。。。。
スノーマンが道糸をたぐってくれるが、当然のこと魚は付いておらず、ハリスと針が虚しく上がってきた。
それにしても、なにゆえに?
4号ハリスまで適合の竿で2.5号ハリスを使い、お魚さんと引っ張り合いをして、バットから竿が折れるとは・・・・・・・。
しかも、バットのみならず、驚いたことに計3カ所で同時に折れていたのだ。
竿に問題があると言わねばなるまい。
一流とは言えないかもしれないが、定価45000円、老舗の釣り具メーカーの製品である。
こちらの釣りはチヌ釣りとは引きが違うと実感し、引っ張り合いをするために買った竿である。
なんとも納得できないまま、あれでも傷が付いていたのかも、とか、しかし折れるならもっと先の方だよな、とか考えて落ち着かないままで翌日を迎えた。
二日目は塩川一文字。
ここで、この竿に関する疑念は確信に変わった。
Hさん、図らずも同じ竿の2号を使っている。
掛けた!
やりとりをしている。
大丈夫かなぁ・・・・。
竿を立てる。
リールを捲く。
バキーーーーーー!!
目の前でバットから先が飛んでいった。
またも3カ所で折れている。
ハリスは3号、おそらく適合ハリスは5号までであろう。
明らかに竿がおかしい。
二日連続で同じ竿の号数違いがバットから折れるとは、もう傷うんぬんの問題ではなかろう。
適合ハリスの定義をメーカーはどう決めているんだろうか?
保証書付きの新品だから多分直るか新品かになるだろうけど、あの魚が獲れなかったことが口惜しい。
真上で見ていたハッピーによれば60センチ4キロクラスのイスズミではないかという。
獲れていれば、沖縄に来て最初の大物になったであろうに・・・・・・・。
何よりも、どういう基準で竿を買ったらいいか分からなくなった。
自分の考えでは、ハリスをつけてどんどん荷重を掛けていっても切れない最高の太さが適合ハリスの限界と思っている。
即ち、この竿の場合、4号までのハリスならどんなに引っ張り合いをしても竿が折れる事はないと。
これ、間違ってます?
これから、メーカーに聞いてみるつもり。
釣果は皆全くふるわず、ボーズに近いまま遠征は終了した。(大泣)